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今日も読書:掟上今日子の忘備録

皮膚科に受信を受けに行ったところ、今日は午前中のみの診察ということもあって平日の午前中だというのにみっちりと診察待ちの人であふれかえっていた。オチから話してしまえば実に二時間もの間、皮膚科にある血圧計用の椅子の上で待ちぼうけを食らうことになってしまったのだがその間に読んでいた本が、『掟上今日子の忘備録』である。

作者:西尾維新さん。

個人的には『物語』シリーズなどで知った口だがよくよく考えるとこの人の作品『めだかボックス』を斜め読み(しかもそこまでジャンプを読まないので穴あきだらけである)しかしたことがなくどっしりと腰を据えてこの作者の作品を読んだことはなかった。

本屋でも話題になり今よくある地雷化ドラマ化も決定したということもありなんとなく1作品目だけ手に取った次第だったりする。

作品を簡単に言うならば

主人公はどこにでもいる平凡な男性。(今どきのジャンルではこの手の主人公が『平凡』であったためしがないがあまりに平平凡凡では作品として難しいのだろうか)もっとも、身長190cmに加えガラスハートもかくやのおどおどとしたいわゆるウドの大木。
そんなアンバランスさが災いしてこの主人公は、何かにつけて事件に巻き込まれていく。なくしものがあれば疑われ、事件が起きればなぜかその場にいて疑われ、挙句の果てには職もままならない。そんな主人公。1話目(開幕)からして職場のSDカード紛失の嫌疑をかけられてしまう。

主人公は全身から変な汁でも噴き出すかと言わんばかりにビビリながらも、震える声でこういう。

「た、―――探偵を呼ばせてください!」

その場に現れた女性こそが、この作品のもう一人の主人公にして名探偵、掟上今日子。主人公からは最速の探偵とまで評価される彼女ではあるが、その一方で「1日で記憶がリセットされてしまう」という特徴的すぎる特徴を抱えていた―。

物語自体ははっきり言ってすごく面白かった。西尾作品が何らかの形でメディアミックスされ、多方面へ行ってしまうのもうなずける。

壁|д°)F は別に評価をするわけでもないし、別段語りが得意なわけでもない。しかし介護という仕事をしていく中で
この掟上今日子の抱える「記憶がリセットされる」ことに妙に感じるものがあった。

私たちはさも当然であるかのように記憶をしていく。仕事の手順や内容、かかわった人の名前、顔、新しいもの、今まで見知ったことのないもの、これらと出会い、かかわり、そして覚えていく。

しかして、もしそれが1日しか持たないものだとしたらどうだろうか。明日にはどんなに頑張って覚えてもすぐに忘れてしまいぼぉっと「はてさてどうしたものか」と思案してしまう毎日が来てしまったら。非常に困る以上にまさに真っ白な日常が重くのしかかることになると感じた。

覚えないのではなく、覚えられない。
忘れたくないのに、消えてしまう。

ここで哀れとか、可哀想とか、そう感じてしまうあたり自分は普通のオーディエンスなのだなと感じてしまうところではあるがそれでも、もしその人に「生きる活力」を与える必要があるとしたら、その人に充実してもらうために考えなければならないとしたら。

どうするか

私が出す答えは「相手に興味を持ち、好意を抱くこと」

他人に興味を持ち、「あの人がどういう人で、どうしたら楽しいと感じてくれるのか。どうしたら生活を充実してもらうことができるのか」私の職場においても、このスタンスは非常に重い意味を持つ。興味も好意を持たない相手には、実のところケアもなにも思いつかないからだ。(たぶん私の中で、長続きしない記憶=認知症 という連結がなされてしまったがためにこのように私以外にはよくわからないつながり方になっているのであろう。)

記憶がなくなったとしても、明日には他人になったとしても好意を抱くことができるか。1度でも似たような目にあったことのある人はこれが非常に厳しいものだと感じることができる。それでも、掟上今日子への好意も親切も欠かすことなく接することのできるこの主人公だったからこそ、わたしは病院の白い壁にもたれかかった腰がそろそろ悲鳴を上げてきそうになった頃まで「がんばれ」と応援していたのかもしれない。
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壁|д°)F ←大体こいつ。基本的には自由奔放。趣味:読書、ゲーム、魚釣り、雲の写真などなど割と多彩。

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